にっき
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7月 10日(火)
友人と夏場にも関わらずレオンで夕食。レオンとはブリュッセルが本店のレッドロブスターの貝バージョンって感じのムール貝専門ファミレス。ここに来れば季節を問わず種類を問わず、いろいろなムール貝を食べることができるのです。もちろんムール貝の王道は白ワインの酒蒸しなんですが、それは旬まで食べるのを待つことにして、今回はクリーム煮バージョン。バケツ一杯のムール貝は二人で食べても食べきれないほど。そして、その貝の出汁がたっぷりでた、バケツの底のクリームスープのおいしいこと。パンをスープで浸して食べるとこれまたおいしくて、夢中になって食べていたらパンが足りなくなっておかわりしてしまいました。こっちのチェーン店って水準高いなあ。
んで、なぜレオンに行ったのかというと、ピガール近辺に手頃な店がなかったからですな。んで、なぜピガール近辺にいたのかというと、パティ・スミスのライブがあったからなのです。いえい、パティ!
ムール貝に舌鼓を打ちすぎて、会場のエリゼ・モンマルトルに到着したときにはすでに一曲目が終わってたという悲しい状況、けれどもがんばって前にいってパティを拝み倒します。舞台の上には絨毯とバラの花びらが敷き詰められ、花束が飾ってあり、蝋燭がともされている一種独特の雰囲気。ぴんと延びた背筋や指先から出ている凄まじいオーラ、けっこう歳を重ねていらっしゃるのに、以前とほとんど変わることのないプロポーション、あの歳で二の腕に余計な肉がまったくついてないのがすごい、そしてハリのある声。鍛えてらっしゃるんですねえ。最初は靴を履いていたパティですが、気分が乗ってきたのか、途中で裸足になって絨毯の上をはね回り歌っています、おお少女のようだ。曲の合間には、先日30回目の命日を迎えたジム・モリスンの詩を朗読(彼のお墓はなぜかパリにあるのだ)、とにかくほとんど全く変わらないパティでありました。
パティのような何もかも超越したような落ち着きっぷりと、いい女っぷりは、やっぱり若い頃に無茶をしておかないと手に入らないものなのかなあ・・・ いろいろ苦い思いをしておかないとなれないものなのかなあ・・・ どうにかして彼女のように歳を取ってみたいのですが、家でぬくぬくするのが好きな自分には逆立ちしても難しそう。出来る範囲でなんとかああなりたいものです。友人はどさくさに紛れてセットリストゲット。おまけに出待ちをしてサインもゲットというなかなかの収穫。お客さんが若くない人々ばかりなのでとても動きやすいいいライブでありました。



7月 9日(月)
金曜日に行けなかったスペインの観光局へ。ベニカシムという場所で行われるフェスがちょっと気になって資料を集めているのです。このフェスティバル、ベルセバやらタヒチやらフレイミングリップスやらとにかく素敵な人々が勢揃いなんですが、サイトはネスケじゃ見ることができない作りになってるし、肝心のベニカシムがどこにあるのか地図すらないという極めて不親切なつくり。フジロックのFAQをみならえーちゅうの、ふぁっきゅー。 いちおうバレンシアの田舎ってことは何とか分かったのですが、、、周辺の宿泊事情とかがイマイチわからない、困ったもんだ。 ということで、観光局のおっちゃんにhow to go to ベニカシム、尋ねてみたのですが、「オレっちにも分からんねえ〜」といった何ともスペイン的なお返事。困ったなあ、一人で行くのは危なそうだし、ちょっと高度かなあ、、、残念。それにしても高級な場所に事務所を構えてうらやましい。
気を取り直して今度はペ通り(オペラ座周辺の超一等オフィス街)にあるベルギーの観光局へ。アントワープで開かれているファッションまつりが気になって資料を集めているのです。アントワープの街の4つの会場で川久保玲の特集をはじめとしたモードに関する展覧会が開かれており、期間中、アントワープの街はモード三昧ってな雰囲気らしいのです。これは行っておかねば。観光局のおっちゃんにアントワープとファッション祭りについて尋ねてみると、とてもご機嫌な感じでパンフレットやらホテルリストやら周辺の地図やら時刻表やらありとあらゆる資料を持ってきてくれました。なんともベルギー的な対応。やっぱ国民性って絶対あるよな、EUの本部がマドリッドじゃなくてブリュッセルにあって正解だと思います、ほんと。



7月 8日(日)
雨が降ったり止んだり、なので家でしこしこネット三昧、とは言っても本日は再就職活動です。いろいろな派遣会社のサイトを巡って仮登録しまくり。まさか帰国する前から帰国後の職を探せる時代になっていたとは、いやはやインターネット万歳ですねえ。それにしても、本当に日本は景気が悪いの?行くサイト、行くサイト、どれもいい感じの仕事ばっかりあるように見えます・・・ たぶん不動産屋みたいなエサ案件が殆どなのでしょうけれども・・・その代わり正社員の需要が少ないのかしら? 
職は異国で探せるようにはなったものの、異国の不景気を肌で感じ取ることはやっぱり21世紀になっても難しいです。特にこっちはただいま好景気まっさかり、イベントごとに飛行船が飛んで飛行機雲がわんさか出て、おびただしい量のチラシやフライヤーがばらまかれ(もちろん4色)、とにかくパンと見せ物の国になってる。そんな所でとにかく浮かれて過ごしていたから、もう日本の不景気が思い出せないよ。日本の社会にすぐ復帰できる自信がないよ、痛みをともなう構造改革ってどのぐらい痛いのかなあ?おいも痛くなっちゃうのかなあ。
んなこと悩んでいたら、夜半(12時過ぎ)に派遣会社からメール、夕方ネット上で仮登録した派遣会社で、いつ帰国するのか詳細を尋ねてきました。そうかあ、日本は先に月曜日になるんだね。早速返信です、と思ったら30分も経たないうちに更に返信。希望した会社の勤務内容、勤務時間帯など事細かなデータが送られてきまして、そしてなんと帰国して2日後に面接だそうです、まじかよ。ほんとうにこんな感じでいいのか?「自称」の経歴でいいの?ほんとに?話がうまく運びすぎて気味が悪いです。スーツとか揃えなくては・・・



7月 7日(土)
バルベスの朝市はパリで一番安いと言われています。しっかし安すぎるため、とにかくまとめ買い推奨といったノリにつつまれており、一人暮らしにはちと足を踏み入れにくい。ということで本日は友人と共同購入することになりました、生協みたいでおもしろいな。朝は混むので昼過ぎにバルベスへ到着、頑張って人混みの中に入っていきます。年末のアメ横みたいに大賑わいのバルベス。様々な人種の人がまざりあい、買い物しまくっています。トマトが3キロ15フラン(3キロも買わなくてはならないのが・・・) セロリは一株5〜6フラン、じゃがいももキロ5〜6フラン。。。そのあまりの安さと活気に目眩がしそう。売り場の前は少しでも質のいい野菜を買おうと、みんなバトルロイヤル。ぼーっとしているといつまでたっても野菜を手に入れることができません。隣のお客さんより先に新鮮な野菜を確保しなければ。自然と目が血走ってまいります。
そんなこんなで一週間分の野菜をお安く買い込んでホクホクの私たち。そろそろ帰ろうかと出口に向かって歩いていたら・・・ ふと視線をやった魚屋さんに蛍光ピンクの魚肉の固まりが売れ残っておりました。 ? 近寄って見てみると、その横には「Thon」と書いてある看板、これはマグロだそうです。え?マグロなのにピンク色?ってことは・・・ 思わず走り寄り魚肉をじっくり観察。おお、大トロだ! こっちでは大きな魚はイカめしのように輪切りにして売られるのが普通です。こっちの人の頭の中ではマグロはマグロであり、赤身やトロという単語も概念も存在しないのです。なので、赤身もトロも同じ値段、もちろんもの凄くリーズナブルなお値段です。ふむふむ、鮮度には問題はないみたい、十分生でいけそうです。赤身好きのフランス人はトロの部分は意図的に避けて買ってるみたいですね。ということで500グラムぐらいの大トロを25フランちょっとで手に入れることができました。わーいわーい。
さっそく持ち帰って調理。トロの下ごしらえ。魚屋さんのマグロの処理はワイルドなぶつ切り。なのでマグロのうろこを取って皮を剥くところから始めます。マグロの皮の下の脂はベーコンの脂のように真っ白。トロだけ食べたいから皮は捨てようと思っていたのですが、あまりにも脂が乗ってて美味しそうなので粗塩を振ってからカラカラに炒めてマグロの皮煎餅に。これが、んもう、おいしーーーーーのって! 塩鮭の皮の100万倍うまいっす、んもう、どうしよう。おいしすぎて泣いちゃう。ごはんとビールとこれだけで大満足。
そしてトロ。脂が乗りすぎていて、勝手にぽろぽろとトロの固まりが繊維のところから分かれていきますよ。わさび醤油をちょっとかけて、下の上で転がしてみます。んーーー おー いー しー いー ようー 美味しい。美味しさの秘密は冷凍していないところにあるとみた。日本でもこんなに美味しい大トロは食べたことがないかも。こんなに美味しい食べ物をフランス人は知らないなんて、なんて可哀想な人々なのでしょう。でもやっぱりフランス人はこの美味しさを知らないままでいて欲しいかも。この美味しさをみんなが知ってしまったらトロの値段は跳ね上がってしまうからなあ。。。 とにかく美味しいです。また買いに行こう。



7月 6日(金)
そろそろ夏の予定を立てようと思い各国の観光局巡り!と思ったのですが、起床12時、朝風呂13時、朝食兼昼食14時、メールチェック15時、身支度16時・・・ ってな感じでのんびり行動してたら、、、スペインの観光局、しまってました、しょぼん。しょうがないので観光局がある16区近辺を散策。16区はフランスの世田谷区、観光局のあるルー・ドゥ・ラ・ポンプやパッシー周辺はそのなかでも松濤並みの高級住宅地であります。道を歩く人々の服はどことなく上品、一緒に信号待ちをしていた小学生が連れていた犬の首輪はエルメス、建物も、街路樹も、空の色も、パリのSUZUTANことPROMODですらも高級に見える・・・ やっぱー いいですなあ、この辺はなあ。。。
うっとり高級気分にどっぷり浸かった後は、ベルヴィルの中華街に友人と餃子を食べに。先ほどのうっとり気分を一瞬で吹っ飛ばす暗黒中華街パワー、相変わらずどんよりした街であります。訪れた中華レストランはパリで唯一のうまい「焼餃子」を出すレストラン(日本食レストランにはあるかもしれない)。パリの中華はめちゃめちゃおいしいのですが、ベトナム経由でこっちに移民してきた方々が多いため、レストランのメニューもどことなく南方系。広東料理や上海料理のお店はどこの区にでも沢山ありますが、北京料理は13区に集中、そして四川料理を出しているお店は殆どないといった状況に、ピリ辛系中華(エビチリや麻婆豆腐)好きと焼餃子好きは不満をため込んでおります(蒸し&水は沢山ある)。そんなこんなで餃子を諦めて10ヶ月、ようやく餃子のありかを発見できました。まさかパリで餃子を食べることが出来るなんてねえ。青島ビールと一緒に食べまくりです。
運ばれてきた餃子は外側はカリカリで中身はふっくらとした理想的なもの。タレにラー油が入っていないのが少々残念ではありますがとにかく美味しいこと美味しいこと、こんなに餃子を心から美味しいって思ったのは宇都宮に餃子遠征に行ったとき以来です。お店のお姉さんに「日本人はいつもラビオリ・シノワーズをグリルで頼むよね、面白れー」みたいなことを言われてしまいましたがおいしいんだからしょうがないよねえ、あっというまに一皿平らげてしまいました。ご飯とみそ汁と餃子とどれか一つ選べ、と言われたら多分迷わず餃子を取ると思います、野菜入っているし。うん、とにかく餃子っていいよな。



7月 5日(木)
モグワイをシガールに見に行く。5月のモグワイライブはうかうかしているあいだにチケットが売り切れてしまうという最悪の事態でしたので、今回は早めにチケゲット。でもでも、この日がロフト・ストーリーの最終回だってことをすっかり忘れておりました。ライブが終わったらダッシュで帰ればどうにか間に合うかな・・・ 久しぶりのモグワイなので、浮かれに浮かれて後先考えず巷で噂の「blur are shite」Tシャツを買ってしまいました。が、フランス語圏とはいえ、こんな単語の入ったTシャツを着ていたら、あらゆるカフェやレストランで入店お断りだろうなあ。フランスではタンスの肥やしになっていまいそう。
シガールは大きさはリキッドルームぐらい、そして雰囲気はやっぱりクアトロ。ライド→フェルト→プライマル→マイブラ というツボをついたSE、というかあまりにベタなSEが耳に心地よくビール何杯でもいけます。周りを見渡すとなぜかチャッピーのTシャツを着た人や、もんのすごいオシャレをした子が目に付きます。モグワイはこっちではオシャレ系なのかしら? んで、そんなこんなでライブがはじまり。

すげ。。。

今回のライブは歌ものは全く演奏せず、ただただギターの音色、音圧、に拘った選曲。静寂と狂気の落差と勢いがダイレクトに耳やら目やらに飛び込んで来ます。こだわって作られたギターの音は我々を内部から破壊しようとするのです。んー 泣きそう。ステージ上でギターをかきむしる彼らは鬼の顔をしていました。フルートやチェロとの競演もなかなか癒し系でよかったす。ああ、ほんとモグワイってすごいなあ。Tシャツ着てもいいかも。

んで、ライブが終わって余韻に浸っていたかったのですがロフトを見なくてはなりません。本日は決勝戦、女の子はボインちゃんのロアナと学級委員長のロー。男の子はおでこの面積がどんどん広くなってるクリストフとマザコン美少年ジャン=エドワード。 女の子の優勝者はロアナでほぼ確定ですが(ボインだから)、男の子の勝者は微妙。というのは、顔で決まるのだったら絶対にジャン=エド君できまりなのですが、彼は番組が始まってすぐの頃にロアナちゃんを乗り逃げしてしまったので、ロアナ好きの視聴者が黙っていないはずなのです。だからきっと、ロアナファンはクリちゃんに投票しているはずだし、ジャン=エドファンの女の子達は優勝後にロアナとカップルになって欲しくないからクリちゃんに投票するはず。なので、男子の勝者が誰になるのかが、本日の焦点なのです。はやく家に帰らなくては。
が、シガールを出たら大雨。道路は大渋滞でバスが全然やってこないのです。これには困った。 シガールから家まではいつもだったら走れば20分なんですが、雨ゆえに歩けず、そして雨ゆえに道路は混雑。結局バスが来たのは30分後、そんでもってノロノロ運転で家についたのが更に20分後。家についてテレビをつけたときには、既に番組は「祝勝会」場面に! 間に合わなかったーーーー しょぼん。せっかくせっかくほぼ毎日チェックしていたというのに、一番最後の場面に限って見ることが出来なかったなんて・・・ ああ、切ない。どうやら優勝はロアナたんとクリちゃんみたいです。その二人と残りのロフトメンバーとで16区の高級クラブでパーティー。パーティーにはMCソラー先生が営業に来てたり、ゴルチエさんが来ていたり、豪華絢爛。でも、こんなんテレビで垂れ流していて、視聴者は楽しいのかしら? プロ野球選手のビールかけの10分の1も面白くないのですが・・・ とにかく残念極まりない。はぁ。



7月 4日(水)
日本の友達が別の友達と二人でアベスにアパルトマンを借りて1〜2ヶ月滞在、ということで早速訪問。 6月中旬にはフランス入りしていた彼女達ですが、条件に合う物件がなかなか見つからず、家が借りられる7月までリヨンの方に避難していたそうな。夏はバカンス貸しが多いのですがそれ以上にニーズが多いみたい。やっぱりいつでもパリの住宅は需要過多なのですねえ。しかしアベスというオサレスポットで住めているにも関わらず、彼女は以前いやなことがあったらしく大の18区嫌い。んで、彼女がちょっとの間だけ通うことになったパリで一番安いという語学学校が19区(18区を池袋としたら19区は新大久保)にあるということで、さらにダークな気分になっています。まあ、せっかく素敵なパリにきたのに一日の大半の時間を18区と19区で過ごすのは確かに華やかじゃないよなあ、、、と思うのですが、彼女は留学も含めて長期滞在3回目なんだから、こっちの方が住みやすいのはご存じのはず。それにもかかわらず、そしてそして家の前には華やかなカフェが乱立してるにも関わらず、どんよりされているっていうのは、よっぽど昔いやな思いをされたのでしょう。。。いやな思い出がある場所は、他の人がどんなに誉めていても好きにはなれないものですからね・・・ って、よくよく伺ってみると、この辺に住むのがいやな本当の理由の一つに「歩いてQUEEN(シャンゼリゼにある高級ゲイデスコ)に行けない」という項目があるようです。学校や職場の距離を考えて住まいを決める人は数あれど、デスコとの距離を考えて家を探す方々がいるとは、、、かっこいいねえ、おっとこ前だねえ。そんでもってQUEENは毎日のように通っているとフリーパスが貰えるそうですよ、ふむふむ。そしてそして一緒に来ているお友達は前回の留学時に実際にそのフリーパスを貰って、そのパス使ってほぼ毎日QUEENに通っていたというからさらに驚き。行ったことないけど、そんなに楽しい場所だったら、そりゃやっぱり近い所に住みたくなるわなあ。いつかいってみたいものです。



7月 3日(火)
我が家に滞在していた友人が部屋探しに成功、よかったよかった。ということで本日はお引っ越しです。やっぱりこの時期だと比較的短期間で部屋が見つかるみたいだね。落ち着く先さえ決まれば、安心して冒険ができるというもの。これからも頑張っていてくださいね、それではさようなら〜〜〜〜
と、お別れの時間になって、友人が鞄を持ち上げた途端、鞄の下から小さな蟻さんがうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃと飛び出してきました!その数なんと数万匹! しかも一番気持ち悪い小粒タイプの蟻さんです。鞄の下にいらっしゃった数万匹の蟻さんは、、光を浴びた途端にソロ活動を始めて、四方八方に歩き始めようとしています。砂鉄のような黒い点々がゆらゆらゆらゆら蠢き、私の足先に登ってこようとしているのです。ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(顔はもちろん梅図かずお先生ばりに) 全身の毛穴という毛穴が引き締まり、冷や汗はダラダラ、こんな気持ち悪いのはじめてっす。なんで? なんで? なんで? とにかく気持ち悪いので濡れたジャベル(ちょっと触れただけで肌が爛れる薬剤)入り洗剤を水で薄めたものをバケツに注ぎ、その水で湿らせたティッシュでそこらにいる蟻さんを拭き取り、拭き取り、拭き取り、拭き取り、拭き取り、拭き取り・・・・ どんどんどんどんどんどん殺しているのに蟻さんは一向に減る気配がありません。なぜに?なぜに?なぜに?なぜに? 
しかし不思議な蟻さん達です。行列が見あたらないのです。家の中に入ってくる蟻さん達だったら、普通どこからか行列を作るのが常。しかし家中探してもその行列の元が見あたらないのです。行列さえ見つけることができたら、その周辺を水で洗い流して蟻さん断ちをすることができるのですが、現在家の中にいる蟻さんは床の上をうろうろするばかりで、生きていく目的を見いだせていないみたい。いったい蟻さんはどこから来たの??? 
ま、とにかく駆除に駆除を重ねてあらかた蟻さんがいなくなってから友人は新居へ。私はスーパーへ蟻さん駆除剤を探しに。RDC(一階)だからもしかして家に穴が空いていて、そこから蟻さんが入ってくるのかもしれません。フランスでポピュラーな駆除剤は「バイゴン」。バルサンのような焚くタイプや、普通のスプレータイプもありますが、今回はターゲットは蟻さんだけなのでとりあえずチューブに入っている塗布タイプを購入。この薬を蟻さんが侵入してきそうな場所に塗りまくると、薬のバリアが蟻さんから部屋のおやつを守ってくれるという仕組みです。そんでもって一回塗ると効果は3ヶ月ほど続くそうで、便利な薬だなあ。とにかくドアの周りや窓の周りに塗って塗って塗りまくりました。これで蟻さんが来たらバイザー訴えちゃうってなぐらい塗りましたですよ、蟻さんって小さいけど力強い存在感なんだねえ。。。。
が、やっぱり外から蟻さんが入ってきた形跡がないのですよ・・・ もしかして飛行機のなかに蟻の巣があって、そんでもって蟻さんが卵を鞄の中に産み付けたとか? けれども蟻さんが蟻さんになるには、幼虫しばらくやって、そんでもってさなぎになるというプロセスを経ないと蟻さんにはなれないのでその可能性は低そう。あれかなあ、エイリアンみたいにどっかに家の中にママがいて絶えず卵を産み続けてるとか・・・ んー 考えるだけで気分が悪くなってきた。とにかく2〜3日は蟻さん見たら引きつけ起こしそうっす。



7月 2日(月)
そろそろフランスに来て10ヶ月になります。もう帰りの航空券を手配しなければいけない時期にきてしまいました。無計画な割にはかなり上出来な1年だったと思います。生まれて初めて一人暮らしをしました。料理ができるようになりました。洗濯ができるようになりました。でも掃除は出来るようになっていません。毎日違う景色を見て生きています。いろいろな所に行きました。いろいろな出会いがありました。いろいろな経験をしました。今まで生きてきて一番充実した一年でした。でも、たぶん来年のほうが今年より充実してるんだろうし、再来年は来年よりもっと充実しているんだと思う。だって言葉ができないところでこんなに楽しく暮らせるのだったら、言葉が自在に使えて自分の好きなところに好きなように行ける自国の方が楽しいにきまってるじゃん。
そう、詰まるところは語学力なのだな。今の気分は友達に借りてたファミカセ「独眼流正宗(ナムコ)」の普通の面は全部クリアできたのに、隠れキャラの織田信長だけはどうしても倒すことができなくて、でも明日には友達にカセットを返さなくてはいけない、といったそんな状況に似ているような気がします。ほとんどだいたいは楽しめたのです。だけど・・・だけど・・・ やっつける必要のない敵を見つけてしまって困った〜 ってな気分なのです。
こっちにきて唯一手に入れられなかったもの、それが言葉。「言葉なんて話せなくてもなんとかなる」といろいろな人が言っているけれど、そりゃ最低限何とかなるけどさ、でもな、体の中に少しでもオタの血が流れている人には、情報を思うように得ることができないことは、食べ物を食べることができないのと同じぐらい辛いことであるのですよ。こんな大切なことにこっちに来るまで気付かなかったなんて。というか、多分フランスで得た一番大切な教訓がこれなのかもしれない・・・ だから帰国したらすぐに毎日タモさんと共にテレビ生活を送り、毎日コンビニでその日に出る雑誌立ち読みして、そんでもってADSL導入した自室でネット漬けになりながら、ヒマを見計らってライブに通って、飲み屋で酒の肴としてフランス豆知識を披露するような生活を送るのがきっと自分的には吉なんでしょう、、、けど、、、けど、、、   やっぱり自分では納得がいかないのです。もっとちゃんと文章を読めて、書けて、話せるようになりたくてしょうがないのです。
とにかくビザは1年で切れますし、なにより資金が不足しているし、ユーロのどさくさには巻き込まれたくないのでとりあえずは帰ります。そして帰国してからマグロ漁船に乗るか、ミリオネアで最後まで勝ち残るか、ロトやトトで一等取るなどしてお金を貯めて、次回(ヤングなカードを取れるうち希望)はちゃんと留学ビザ取ってちゃんと学校に入ってみっちりむっちり勉強したいのです。できることなら語学だけじゃなくてもっと先まで突き詰めたいけれども・・・ まあ、先の事はおいおい考えるとして、残りの生活はワーキングホリデービザで来たので、ワークとホリデーを中心ということで。
んで、シャンゼリゼのエールフランスまでチケットを予約しに行ってみたら、あらいやだ。なんとバカンスシーズンに突入してしまいましたですよ。ただ1年オープンの帰りの便を予約するだけで2時間も待たされてしまいましたです、うーん。



7月 1日(日)
ベックのライブです、オランピアです。前座のニッカ・コスタはボーカルのおねえちゃんが股上が異常に浅いズボンを履いていて、お尻の割れ目が半分ぐらい見えておりました、いいのか? 昔いたトップスとか千年コメッツとかのアミューズバンドのワールド版って感じです、なかなかハッピーな感じがベックにぴったりだ。それにしてもフランスのベックファンは余裕がありますなあ。日本の観客だったら前座のバンドに興味ある、ない、関わらずとにかく前へ前へと進むのが常ですが、この国では場所取りという概念が存在しないようで、興味のないバンドの出演のときは客は全く前へ行こうとしません。正直な国民だなあ。そのおかげでいつも前にいけるのでよいのですが・・・ そう、今回も一番前でベックちん鑑賞。
ライブは「Acoustic Set」からはじまり怒濤の勢いで「loser」まで6曲ぐらい一気に。あのベックちゃんが私の前で踊っています、あどけない顔とくぐもった声で女子も男子もメロメロにしながらくるくるくるくる廻りつつ、立ったりしゃがんだり、ポーズ取ったり。この人のステージは計算されていて本当に楽しいっすねえ。
会場全体がハッピーディスコと化しています、そしてそこの王子様のベックちん。彼ったら突然「ボクと踊りたい人いるかい〜?」みたいなことを言ってきました。大勢のファンが我も我もと立候補、私ももちろん立候補。背伸びをして両手を上げてジャンプしながらベックちんに自分をアッピール、はい、はい、は〜〜〜い。そしたら、なんと! ベックちゃんたら! 私を指さして「キミ!」とか言うじゃありませんか! え? え? え? 頭の中は真っ白、気付いたらは屈強な黒人スタッフさんが4人ほど私の周りをとりかこみ、私を軽々と持ち上げるではないですか、うあああ。何がなんだかわからないのですが、とりあえずステージに登って他の選ばれたお客さんとベックちんの後ろでおどります。あああ、オランピアって人がいっぱいいるんだなあ。。。私の前でベックちんはベックダンスを繰り広げ、ギターの人もベースの人もどんどんがんがん踊っています。どう考えても私の踊りはへんちくりんなのですが、そんなこと考えていられません。とにかく踊って踊って踊り狂わねばなりません。オランピアデビューだー わーいわーい。ってなことを思っている間に一曲終わってしまいました。もうステージ降りるのかな??? と思ってハケる用意をしていたら(素人さんを機嫌良く帰して素早くスムーズな撤収を目指すという仕事をしていたため、間が少しでも空くと動線考えたりする癖がついてしまっている)、ベックちんがつかつか寄ってきて私の腕をぎゅっと掴んだのです。 !? 「キミはここで座っていてね」 みたいなことを私に話しかけながら、ベックちんは私の両手を引っ張って床の上に私を後ろ向きに座らせました。「ここで座りながら踊って」 ほう、なんだか分かりませんが私は「座って後ろ向きに踊る人」の役のようです。他の子たちもベックちんが指定した場所でめいめいのポーズを取って踊るみたい。でも後ろ向きは私だけ・・・ さっきの踊りがあまりにもヘボかったからかな??? これじゃあベックちんが見えないよう。まあ、めったにない機会なので胡座かきながら上半身だけクネクネ頑張って踊りました。後ろで盛り上がっている完成が聞こえてきます、しかし私には全然見えません、ぐすん、悲しい。でも後ろ向きだとドラムの人とかホーンの人がじっくり鑑賞できます。ドラムさんと目があって微笑まれてしまいました、きゃあ。そんなこんなでまた一曲終わり、我々の任務も終わったようです、オランピアは一回の後ろの方まで観客の顔が見えるすばらしいつくり。こんな素敵なステージにベックちんと一緒に立てるなんて、なんて私はラッキーなのでしょう。ベックちんが一人一人と握手です。腕まで掴まれた上に握手とは! あああ、私の番が回ってきました。頑張って中学校一年生で習った「サンキューそしたら! なんと! ベックさん、私を抱き寄せて!ほっぺたをくっつけて! ビズ! ビズ! きゃあああああああああああ ヒゲがほっぺに当たる〜 ちくちくするよう〜 もう、なにがどうなってるのかさっぱり分かりませんがとにかく私は幸せなのには間違いない。頭に湯気を立ち上らせながら先ほどのプレイスに観客席の戻ってベックちんを再鑑賞。ステージ上のベックちんは輝いています。さっきまで私があそこにいたとは思えないっす、束の間の夢をみさせてくれてありがとう、ベックちん。
そんなこんなでベックちんはアコースティックやってくれたり、アンコールでは「Sexx Laws 」や「Devil's Haircut」やらをやってくれて大満足大会でございました。ちなみに私の隣にはカヒミちゃんがいて、これまたお人形さんみたいにお美しくてびっくりでございました。しかし、最前列でみんな揉みくちゃになって踊っている中で、たった一人微動だにせず、しかもこんな暑いのに毛糸のベレー帽を被っているのに汗一つかかない彼女はいったい何なのだろう?本当にお人形さんなのかもしれない・・・




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