朝食。コーンフレークに美味しくない牛乳、そして美味しくないオレンジジュース。スイスの豪華モーニングが偲ばれる。カフェオレも仏蘭西のくせに美味しくない、どないなっとんねん。レズリーは金を節約するため朝食後、そそくさとドミトリーに移動していった。オレは貧乏だけどなんとなくそのまま部屋に滞在、隣のベッドに人は来ず一人で寝れることに。ラッキーなことです。
レイジーはあんまり美術とか興味なさげだったので、一人でコルマールに行くことにした。YHから街の中心地までバスで20分、街の中心地から駅まで歩いて10分。ヨーロッパでは「駅」というのは街の中心にあるものではなく、街の出口に位置するものと考えられているようで、そこが駅ビル文化にどっぷり漬かっている私にはつらいものがあったりする。コルマールの街もおなじく、駅は街の出口にあった。
コルマールはストラスブールから電車で1時間弱のところにある何の取り柄もない小さな街。街の出口からてくてくと歩いて中心地へ向かう。典型的なアルザスの街並みが青空に映えるぜ。この街の唯一誇れる文化遺産がドイツルネサンスの大画家、グリューネヴァルドの描いた「イーゼンハイム祭壇画」。今日はそれを見に来たんすよ。訪れたウンターリンデン美術館は田舎の街にありがちな「その土地にゆかりある物だったら何から何まで」美術館で、土を掘ったら偶然出てきた考古物から地元のぱっとしない現代作家まで取り揃えている。まぁ、きっとこれ以上客寄せをする必要がないってことなんでしょう。景気のよい話です。
イーゼンハイム祭壇画大人気。それが飾られている部屋に入った途端バーゲン並みの人口密度(そして殆どが老人)。一目見るなり思いました、うわ、でかい。そりゃ祭壇に飾るんだからでかいのは当たり前なんだけど、ここまででかいとは、布教効果もバッチリでしょう。そのでかさ(2m位)、ビビッドな色彩(緑や赤などの原色がくっきり)、表の絵のリアルな表情(イエスの礫刑の図、苦悶に満ちた表情とガリガリに痩せた体)、裏の絵の神秘的な世界(復活図、ウィリアム・ブレイクっぽい)インパクト十分ッス。これ見ながらパイプオルガンの曲流れてきたら思わずキリスト教信じちゃうよね、ネロとパトラッシュが見たら心臓麻痺起こして即死しちゃうね。画集で見るのと、実物を見るのとの一番の違いは大きさを実感することなんだなぁ、と思ったりして。
感慨もひとしお、せっかくだからランチはアルザス料理で決めようかな。ストラスブールだとなんだか高そうだし。ということで美術館前のカフェへ。ここで "menu d'Alsacian"となるのを頼む。menuは「定食」っちゅう意味。アルザス定食、まずは「アルザス風キッシュ」、賽の目のハムとチーズがたっぷり玉子の中に。こりゃ美味い。淋しそうに食べていたら隣のドイツ人老夫婦に拙いフランス語でボナプチ言われて、心なごんだりする。続いて憧れの「シュークルート」、酢に漬けたキャベツと太いソーセージを弱火でコトコト煮た物。憧れ、、、、だったんだけど、ね、、胃がもたれてしまった。根性無い胃です。悲しいです。のこりのデザートの入る別腹にまで影響及ぼしてしまうほどもたれてしまった。くう
と、他に何も見るところのないコルマール、さっさとストラスブールに帰り、明日の朝早く出発するため、食料の買い出し等にいそしむ。17:00頃YH帰るとレズリーも丁度帰宅。ラウンジで夕御飯。
ラウンジにはレズリーの他に、オーストラリアから来たジュディおばさんと、カナダから来たナディア(母方はギリシャ系移民らしい)がいて4人でいろいろ話をする。といっても私はほとんど聞いているだけ。ちょっと悲しくなるけど、外国に行って突然社交家になったりする方が変だ、と自分の語学力のダメさを棚上げしてみたりする。私以外の3人はみんな英語圏の国から来たけれど、それぞれ少しずつちがった英語を話す。私はナディアの話す英語が一番聞き取り易かった、なんでかな?レズリーが話すとき、ナディアもジュディも幾度と無く"SORRY?"と聞き直していたから、やっぱりレズリーの英語は訛ってるんだろな。
そんで、話が盛り上がってBARに行くことに。レズリーは「ベェアー」と発音しとったが、きっとBARのことなんだろう。そりゃ、言葉話せんでもよろこんで行くさ。途中、歩いてたらナディアの友達のリナ(バングラディシュ系ドイツ人)ともう一人(名前わすれちゃったよ、、)とばったり会って一緒に行くことに。夜歩くストラスブールの街並みは綺麗、特にカテドラルは建物の根本からライトアップされていて荘厳度120%アップっす。PETIT FRANCEも夜はまたとなく美しい。臆病者ゆえ、夜の外国を歩き回ることなんて滅多にないので、こういう機会があるとほんとうにありがたい。そんでPETIT FRANCEのど真ん中にあるPUBで一休み。
そこでいろいろ話し込む(もちろん私は聞いているだけ)。特にコソボ問題はみんながみんなしっかりした主義主張を持っていて大変刺激的でござった。オレだけ何にも考えてないので凹んだりもしたんだが。全員がアメリカの事をキライって分かっただけでも収穫。やっぱ、アメリカってダメじゃん。オレだけじゃなかったんだ、わーい。あと、アメリカの人種問題に触れてたときジュディが"HOTCH POTCH "と形容してて、なんだか嬉しかったよ。
話し込んで(私は聞き込んで)帰宅は12:15。みんなとお別れして、レズリーとお別れの挨拶をして床につく。英語の喋れない私と仲良くしてくれてありがとう。なんだかよい一日でござった。明日はいよいよパリなのだ。
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