今年のフェミナ賞はカナダ出身のナンシー・ヒューストンが受賞

061101 nancy huston.jpg女性審査員が選ぶ文学賞の「Prix Femina」に、日本でも『天使の記憶』『愛と創造の日記』の訳本があるNancy Hustonの「Lignes de Faille」が選ばれたようです。

4世代に渡るある一家の物語をそれぞれの世代の6歳の子供の目を通して描いたものとか。

本はこちら↓ ちょっと珍しい形です。

061101 nancy huston book.jpg

著者はカナダのフランス語圏出身かと思ったら、英語圏のカルガリー出身。53歳。1973年にフランスの名門EHESSに留学し、以後パリ在住。小説だけでなく、エッセイ、評論なども多数手がけていて、フランスでは有名な作家&論客らしいです。夫は哲学者のツヴェタン・トドロフ(二人ともロラン・バルトの弟子)。

映画の脚本も書いてます↓
061101 empote moi.jpg原題「Emporte moi」 本人も教師役で出てるらしいです。


↓こちらのなまめかしい表紙の本は、
061101 chicagomay.jpg

フェミナ賞の外国語部門賞をとったアイルランドの人気作家、Nuala O'Faolain の「The Story of Chicago May」。20世紀初めに世界を股にかけて暗躍したという美貌の女泥棒シカゴ・メイの生涯を追った作品。

シカゴ・メイはアイルランドの貧しい家に育ち、19歳のとき、家の貯えをすべて持ち逃げして一人アメリカへ。ギャングの一味に拾われ、美人局やスリ・詐欺・強盗などで荒稼ぎ。大物ギャングの情夫とともにヨーロッパにも出没し、パリのアメックスに押し入ったりもしてるそうです。

↓法廷でのシカゴ・メイ。青い目と赤みがかった金髪が魅力的な美人だったとか。
061101 chicago may.jpg


この時期のフランスは文学賞が立て続いていて、フェミナ賞と同じ日に「メディシス賞」も発表されてます。
大賞は、チュニジア出身で、リベラシオン紙のベテラン記者でもあるジャーナリスト、Sorj Chalandonの「Une Promesse」に。外国語賞は強制収容所体験のあるユダヤ系ルーマニア人作家Norman Manea の「Hooligan's Return -A Memoir」が受賞。

以上4人の受賞者のご尊顔はこちらで↓(本を持ってる4人)
http://permanent.nouvelobs.com/culture/20061030.OBS7490.html

26日には、アカデミー・フランセーズ賞の発表もあったらしく、ニューヨーク出身の作家Jonathan Littell(ジョナサン・リテル)の「Les Bienveillantes」が初のアメリカ人受賞作品として選ばれたようです。

11月6日には、フランスでもっとも権威のある文学賞と言われているゴンクール賞が発表されます。

追記
ゴンクール賞も、アカデミーフランセーズ賞と同じ、ジョナサン・リテルのLes Bienveillantesが選ばれたようです。

Posted by 7NT-RDBL at 2006/11/ 1(mer) 08:24 AM [本・雑誌 ] | Hatenaブックマークに追加 |

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title: フランスの文学賞は秋に決まるようです
今年の受賞作は、以下のとおり。 ●アカデミー・フランセーズ賞 Bernard d...
posted by: パリノルール blog
2006/11/ 1(mer) 09:26 AM
title: 81歳 女泥棒!
Excite エキサイト : 芸能ニュース [ブダペスト 24日 ロイター] ハンガリーで「フライング・ギジー」の異名を持ち、これまで50年間以上も盗み...
posted by: 気楽deブログ
2006/11/26(dim) 09:49 PM
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